富山マラソン2023に富山県民先行枠でエントリーした。前回大会はコロナ禍においても開催自体はされたが、参加条件がついて回り、ワクチンを2回以上接種若しくは事前PCR検査陰性というのがあったので、参加は見合わせた経緯がある。だが今回は事前に事務局に問い合わせたところ、今回はよっぽどコロナに関わる情勢が極端に変化しない限りは、従来通りの制限なし(健康管理チェックシートの記入はある)路線でいくとのことでエントリーを決めた。
本記事は現状のフルマラソンで結果を出す上での課題点を挙げて、今後に活かしていくための備忘録として書き記す。さっそく掘り下げていくと、現状課題と認識しているのは以下の2点。
➁十数km走るとキロ7分とかのLSDペースでも心拍が180に到達する。
それでは、ひとつ一つ見ていこう。
課題その1「足つり」について
一般的にはフルマラソンにおける足つりの原因は、脱水や電解質の不足が多く挙げられているように思う。脱水とは呼んで字の如く水分が不足すること、また電解質不足で多く指摘されるのがミネラルで主にナトリウム(塩分)不足かと思う。
この事自体は毎回エイドでスポーツドリンク補給すれば達成できるのではないかと思うし、実際それだけでケアとなっているランナーもいるかもしれない。ただ自分にはこれだけでは解決にならない事が過去のレースが証明している。ということで、さらなる対策が必要ということになってくるが、まずは自分が行ってきた足つり対策をふり返りながら挙げていく。
➁ゲイター装着
③ランニングフォーム改善
④練習で20km走を多めにする等距離を踏む
⑤塩あめや練り梅等、随時遂行品から塩気を摂取
⑥坂道走る
それでは細かく見ていこう。
➀レース中にコムレケア(芍薬甘草湯エキス配合)を接種
これは何度か試したことがある。現時点ではレース中につりそうになった状態で摂取するのは、多少の効果はあるかもという感じがしている。実際つるまでの時間が幾分か遅くなった実感があるからだ。つるまでの時間を2、3km先延ばしにできたかなくらいの感覚はある。
効果絶大ではないが、これに関しては「お守り」として今後活用していくか、切り口を変えて芍薬甘草湯自体を随行するのもありかなと考えている。その際は顆粒、錠剤しかないみたいなので、摂取方法も考えないといけない。
➁ゲイター装着
これはコンプレッション系のアイテムで、形状としては足先部分がない、くるぶしまでのハイソックスといった感じのもので、ふくらはぎを圧迫することの血流促進効果でつりを軽減するというもの。
一度しか使用したことがないので、何とも言えないところもあるが、その時はいつもつる20km付近で普通につったので効果が薄いのではないかという気がしている。まあ薬でいうところのプラセボ効果的なものは望めるかも知れないので、装着しないよりはマシかも知れないが、うーんなんとも言えないといった感想。
③ランニングフォーム改善
これはランニングを始めてから、随時行っていることではあるが、「足つり」の為に行ったフォーム改善としては、
A.足裏の接地場所の見直し
前で接地すればするほどに、ふくらはぎの負担が増すという認識なので、ミッドフット接地だったものをちょっとヒールストライク(かかと着地)寄りに変更。その分膝への負荷が増すが、ランニングを始めた当初悩まされた腸脛靭帯炎も抑えられている為、優先度をふくらはぎ対策の方へ向けた。
現状のまだつるという「課題」は解決されていない中でしかも主観でしかないが、これは多少の効果があるのではないかと感じている。未だに意識していないとミッドフットになってしまうので、引き続き意識していきたい。
B.足で走るのではなく、臀部(お尻)で走る
よく言われるところの、ふくらはぎよりもより大きい筋肉群である臀部の筋肉を使用することで、ふくらはぎの負担を抑えようというもの。これは実際にやってみると非常に腑に落ち、大きい部分で体を回せているのが実感できる。また起点としての肩甲骨もランニングには大事という話も聞く中で、体幹を意識したランニングが安定感を得る上で非常に有効っぽいなとも感じているという事もあり、この臀部を含んだ体幹部分も引き続き意識していきたい部分となっている。
④練習で20km走を多めにする等距離を踏む
前回出た富山マラソン(2021)の直前2か月間の練習をほぼ20kmジョグにしたんだが、結果的にはこれをしたにも関わらず過去最短の15kmでつってしまった経緯があり、効果としてはなかったのではないかと思っている。一方で「自分には」踏む距離が足りなかった可能性はあるかなと思っている。よって30km走とかしてみる価値はあるかな、中々しんどそうではあるが。
⑤塩あめや練り梅等、随時遂行品から塩気を摂取
これは、汗とともに体外からナトリウムが排出され、筋肉の収縮に関わるバランスが乱れることでつると言われる現象の対策。やってみてあんまり意味がないのかなという感じはする。というか、筋収縮に関わる電解質はナトリウムだけはない様だ。情報収集していると、むしろ同じ電解質でも、マグネシウムやカルシウムの方がどちらといえば重要ではないかという気がしてきた。ランナーご用達の「Mag-on」というジェルもあるしな。ここは後でふれるが自作のスペシャルドリンクで対応しようと思っている。
⑥坂道走
どうも富山マラソンでの足つり発生のタイミングが、ほぼ中盤にある新湊大橋を登っている途中または、登り終えた直後がメインなので、どうしても登りで使うふくらはぎ自体の強化が必要と感じていた、それで坂道走。
これに関しては以前は取り組み方が緩かったという認識。なので最近は新湊大橋よりもより急な坂道での練習をしている。またトレラン的なコースも練習になる感じがするので、そっちも平行して。ふくらはぎの強化に加え、精神的な意味での寄与も目的になっている。
と、これまでに取り組んできた事及びその所見を述べた。こうして見ていくと、足つりに関しては劇的に改善はしていないが、やってきたことは全く意味がないとは思えないし、そもそも原因が一つではないとも思うので、引き続き試行錯誤しながら取り組んでいくことになる。
また上記の中でも「③ランニングフォーム改善」はまだまだ試行錯誤の過程かもしれないという意識をもって対処したい事と、「④距離を踏む」また「⑥坂道走」も意識して継続していく事が重要であると思っている、人間なんだかんだ楽な方へ流れていくので。あと足つりに関して最近新たに取り組んでいることは、2つあってそれは以下の通り。
⑦恒常的なミネラルの接種
継続的なマグネシウム、カルシウムの経皮摂取、具体的には自家製にがりを毎日ふくらはぎ及びハムストリングにすりこんでいる。にがりに含まれるこれらのミネラルは筋肉の収縮に密接に関わっており、日常的にローディングする事での効果を期待している。まあこれに関しては現時点ではなんの根拠もない仮説→検証の段につき淡い期待ということになるのだが。
⑧レース当日随行のスペシャルドリンクの作成
スペシャルドリンクなんてエリートランナーがするものだと思うかもしれないが、ちょっとでもサブ4達成に近づきたいので藁にもすがる思いなんで、やれることはやろうかな、と。ひょっとしたら藁なんかではなく、実は大木であり、自分にとってブレイクスルーとなるかもしれなんて一縷の望みを託してたりしてwにがりや塩を摂取することでのミネラル補給に関しては⑦と重複する部分はある。
➁クエン酸
③自家製にがり
④自家製塩
⑤MCTオイル
⑥レモン
現時点の内容としては以上。⑥はまだ入れた事はないが、気分的に入れてみたい。➀~⑤までで微妙にスポドリにちょっと近い感じに仕上がる。別にスポドリにしたい訳じゃないけど、飲みやすい方がいいよな。あと、脱塩水に塩やにがりを戻す形になってるのが効率悪い感じなので、海洋深層水の原水を薄める比率を研究する予定ではある。
と、ここまでが課題の一つである「足つり」に関して。そしてもう一つの課題というのが「キロ7とかでも心拍数爆上がり」について。昔なっていた時期があり、しばらくはなりを潜めていたんだが、最近また蒸し返してきたこの現象。どちらかと言えばフルマラソンで結果を出す為にはこちらの方が、障壁になる予感がしている。
課題その2「キロ7とかでも心拍数爆上がり」について
2022年の10月位から、走行10数km到達した時点から、今までのペースでの走行が困難になってくる現象が出だした。最終的にはキロ7でも心拍数が180オーバーとなることもあった。一回30km走した時の最後の2kmなんかはキロ9とほとんど歩いてる様なペースにも関わらず心拍数が180に到達した経験がある。
原因については根拠はないが、一般的に言う30kmの壁の強力版が10数kmで来ているのではないかという仮説がある。だとしたら、従来から何気なくやればタイム向上しそうだなと感じていたところである、糖代謝よりも脂質代謝優位の体質に改善するということが、一定の解決につながるのではと考えている。ちなみに30kmの壁とは以下の様な現象のこと指す。
またその為に足し算式のカーボローディングという手段が存在し、事前に糖質摂りまくれば結果的に活用できるグリコーゲンが増えるという主張。ただこれはどうなのかは科学的に決着していないと思っており、個人的には事前に食いまくってラン仲間とバカ騒ぎするためだけの手段となっている。まあいずれにしろ、30kmの壁とは糖質が不足することで、高強度の運動の遂行が困難になるという事象を指している様だ。
以下にその30kmの壁の自分版だと推測する10数kmの壁(言ってて悲しくなってきた)について、その取り組み方法について記すことにする。
➀糖質制限
これは分かりやすい。少なければ、使いずらいからね。とりあえず糖質摂取量は以前と比べて半分以下だ。まあ普通に大量摂取することもあるが、基本は意識して控えている。取りくみ当初はストイックにやり過ぎた感があるので、自身を取り巻く食生活への適応&「やっぱ糖質食べたい」気持ちに蓋をしない(我慢は良くない)という感じを出しつつ今に至る。
またこの糖質制限がフルマラソンのタイムに寄与するというのは、書籍またネット上にも脂質代謝優位への導線が引かれる旨の記載がある。なんせ脂質貯蔵量はフルマラソン何回か分に相当するはずなので、これを利用しない手はないという感じ。
➁MCTオイルの活用
本来の栄養素としての脂質摂取という目的に加え、脂質代謝優位への導線を引くというアイテム。脂肪酸の中でも脂肪として蓄積されにくい中鎖脂肪酸、しかも構成がその100%というMCTオイル。熱に弱いというので、通常の料理と一緒に摂取するのは難しいので、実際の活用方法としては、水(海洋深層水約200ml)に入れて飲用している。
前述のスペシャルドリンクのところとも被るが、さらにその中にクエン酸また、自家製塩及びにがり等を入れて2回/日飲用している。
あくまでも現時点での実感ベースではあるが、実際これら2つの施策に取り組みことで心拍上がり問題は改善しているのかなと。どっちとも効果あるのかないのか分からない時点から、効果上がるの前提で切り分けの為に、上記2つの施策をまずは糖質制限単体から実施した。実はこれは実感に乏しいものだった。
続いて糖質制限のレベルを落とし、MCTオイルの活用を始めた。完璧に糖質摂取レベルを元に戻さなかったのは人体実験としては不十分であったかもしれないが、結果的には糖質制限単体よりも効果が感じられるようになった。以前ジョグでも心拍数が上がっていた約12km以降でもあまり上がらなくなったのだ。それに加えて、副次的な効果なのか以前は10kmのペース走とかでも途中でキツクなり結構タレていたのが、最後まで粘り切れる様になってきた。これにより練習の質が上がったのが確かな実感としてある。
その他考察と思う事
また糖質代謝の際にグルコースから疲労物質とされる乳酸(糖新生とかもあるし、疲労が溜まった結果の代謝物として産生されてるだけかもしれないので一概に悪とは言えないかもしれないが)が産生されるが、脂質代謝経路では、プロセスにおいて乳酸が関与しなさそうな感じなので、その点だけで切り取れば脂質代謝に軍配が上がるのかも知れない。
また一方の糖代謝に関しても、代謝プロセスの過程において、クエン酸が働きかけることで、グルコースがピルビン酸になるのを阻害、さらにピルビン酸から乳酸になるのを阻害するという記述を見たので、スペシャルドリンクでウェイというのは本当にあるのかも知れない。
ということで、長々と書いてきた訳だが、取り組みに対してのインセンティブは得られていると思っているので、現状としては満足している。ただ一方で、今のままでサブ4が達成できるなんて事は思ってはおらず、諸々の取り組み自体が11月の富山マラソンまでのトライアル&エラーだという捉え方。残念だが、人には素養というものがあり、自分はこれくらいやらないとサブ4は達成できないのだろう(まだ達成していないがな)。実際Vo2maxに関しては先天性が優位でいわゆる「超えられない壁」があるのだというデータを見たことがある。ただフルマラソンのタイムを決定づける要素はそれだけではない。「ランニングエコノミー」や「LT値」という要素も存在すると思われるので、個人的にはそこで勝負というところか。本記事で書き綴ってきた部分もこれらへのアプローチを多分に含むものである様に思う。自分自身の事を一応ランナーと自認しているので、ここらでキッチリサブ4達成して、臨めるのならば次のステップへ移行したいと切に願うものだ。
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